新空軍英雄としてルチル(TopWar:ジェット)が追加された。燃焼型空軍の生命増加枠の英雄であり、ミスティを置き換える可能性のある英雄だが、実際どの程度強いのか評価を行う。
ルチルのスキル


スキル効果
空軍に対する【開戦シールド】効果、空軍での追撃効果、追撃時の燃焼付与効果、燃焼の発動数に応じた燃焼強化効果の4つの効果を持つ。
【開戦シールド】効果
ミスティの75%やビスコットの73%を超え、歴代最高値となる78%の開戦シールドを持つ。
開戦シールドの効果だけ見れば、最高位の開戦シールド英雄といえる。
追撃効果
ミスティと同様に、敵全体に対する追撃を行う。
ミスティが45%の全体ダメージだったのに対し、ルチルは50%のダメージを与えるため、合計ダメージで45%上回る形となる。
9体にヒットすると合計ダメージが450%というのはかなり破格の性能ではあるものの、ミスティと同様に敵のユニットが一部損壊し対象ユニットが減ると効率が落ちていくため、前半に強く後半に弱い英雄といえる。
追撃時燃焼付与効果
追撃ヒット時に対象が燃焼の時、一定確率で周辺ユニットに燃焼を付与する。
ミスティが即時発動+再付与だったのに対し、こちらは燃焼をどんどん増やしていく形。
即時発動と違い、燃焼のダメージ発生タイミングが遅い点と、同一の発生源から付与できる燃焼が1つだけという仕様が非常に足を引っ張る。
例えばタイタン装備で燃焼を付与できる場合、ミスティの即時発動ならその後再びタイタン装備での燃焼付与が期待できるが、ルチルの効果だとタイタンの燃焼は付きっぱなしになるため、自然にダメージが発生するまで一切タイタン装備での再付与ができない形になる。
また、自身の効果の燃焼付与に関しても1つしか付与できないため、ある程度のタイミングで相手のすべてのユニットに燃焼が付与され、それ以降かなり意味の薄い効果と化す。
後述する専用スキルでの【燃焼】状態をトリガとした追撃強化には寄与するものの、燃焼をぶん回してダメージを稼ぐ従来の燃焼型英雄とは少し異なる使用感になるだろう。
燃焼の発動数に応じた燃焼強化効果
【燃焼】が5つ消費されるごとに燃焼ダメージが強化される。ただし、ミスティやアスカの即時発動効果で爆発させたものはカウント外。
この強化を入れるためには燃焼ダメージを自然発生させる必要があるが、せっかく強化を入れてもダメージが自然発生待ちだと、どうしてもダメージ発生機会が限られる。
後述する専用スキルでの【燃焼】強化を考慮しても最大60%の強化にとどまり、60%強化された燃焼ダメージの自然発生を待つより、無強化の燃焼を爆発させて1ラウンドに2回燃焼ダメージを入れられる方が強い。
燃焼の爆発効果と比べると、かなり微妙な効果になってしまっている。
能力ボーナス
Lv5専用スキル
各ラウンド開始時に3体に50%の燃焼を付与する効果と、【燃焼】強化効果が燃焼発動5回ごとに20%強化の最大値60%に増える。
各ラウンドごとに燃焼付与する効果は単純にうれしいが、ミスティが素でパッシブスキルとして持っている効果であるのが少し悲しいところ。
燃焼の強化幅の向上もうれしくはあるものの、燃焼ダメージの自然発生を待たなければいけない点が苦しく、数値が上がっても使いにくさは変わらずである。
Lv7専用スキル
すべての燃焼効果を40%強化する効果と、【燃焼】状態の敵への追撃ダメージを70%強化する効果が入る。
燃焼ダメージの強化は、ミスティが30%の強化に対し、こちらは40%と優位。ただし、ミスティは強化された燃焼を爆発効果でガン回せるのに対し、こちらはダメージの自然発生を待たなければいけないので、強化の恩恵を受けづらい点がネック。
【燃焼】状態へのダメージ強化は非常に強力。ミスティが状態にかかわらず30%の強化が入っていたが、こちらは【燃焼】状態の敵に限るものの、倍以上の70%の強化が入る。
敵全体が【燃焼】状態になっていた場合、驚異の合計ダメージ1080%に達する。
燃焼爆発効果がないせいで燃焼ダメージは稼げないものの、このえげつない追撃ダメージでカバーしていく形となる。
専用5までは燃焼爆発効果がない点が足を引っ張りそうだが、専用7を作った段階で独自の強さを発揮する英雄といえるだろう。
単体強さ
仮想編成
燃焼強化の効果があるため、1ラウンドあたりの燃焼ダメージを規定しておく必要がある。
燃焼型の編成として、以下の編成を仮定する。
ユズハ、ルチル、ノルシュ
ユズハ、ルチル、ノルシュ編成
ユズハ:毎ラウンド50%×3の燃焼+挑発での燃焼付与(仮に、9体に50%の付与とする)
ルチル:毎ラウンド50%×3の燃焼+燃焼追加効果(仮に、9体に30%の付与とする)
ノルシュ:9体に燃焼15%を与えるとする。
1ラウンドあたりの燃焼合計ダメージは、50*3+50*9+50*3+30*9+15*9=1155%
1ターン当たり、128.33%となる。
専用スキルなし
開戦シールド
橙色シールド+英雄の絆+装備改造Tier20の効果で開戦シールド45%が入ることを考慮すると、
(1 + 0.45 + 0.78) / (1 + 0.45) = 1.538
となり、強さ値は1.538となる。
追撃+燃焼付与+燃焼強化
追撃は常時9体に当たるとし、発動確率を35%とする。燃焼強化は過大評価にはなってしまうが、常時最大値の15%の強化が入るとする。
50*9*0.35+30*9/9+128.33*0.15=206.75
強さ値3.07
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
(1+0.45+0.78*1.09)/(1+0.45) *(1+0.5*9*0.35*1.09+0.3*9/9+1.2833*0.15)=5.09
これまでの強英雄と比べると、
アスカ(4.21)、アリア&ティナ(3.97~4.57)、デューク(3.686)、ミスティ(3.43~4.24)。ジプシー(3.34)、ノルシュ(3.252)、エウレカ(3.08)、 ストームシャドー(3.062)、アエラ(3.01)、ビスコット(2.66)、メイメイ(2.6)、シンジ(2.549)、シアン(2.4~2.55)、レイ(2.366)
開戦シールドの数値が高く、追撃の火力もすごいため、単体性能としては飛び抜けた数値になる。
専用スキルなしの状態では、最強の英雄の一人と考えてよいだろう。
Lv5専用スキル持ち
追撃+燃焼付与+燃焼強化
毎ラウンド50%×3の燃焼が入る効果と、燃焼強化が最大60%に増える効果が入る。
50*9*0.35+30*9/9+128.33*0.6+50*3/9=281.16
強さ値3.81
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
(1+0.45+0.78*1.09)/(1+0.45) *(1+0.5*9*0.35*1.09+0.3*9/9+1.2833*0.6+0.5*3/9)=6.27
これまでの強英雄と比べると、
アリア&ティナ(4.955~5.25)、アスカ・ラングレー(4.33)、デューク(4.243)、ジプシーデンジャー(4.07)、ミスティ(4.00~5.07)、ビスコット(3.87)、ノルシュ(3.87)、ストームシャドー(3.8)、ストライカー・エウレカ(3.555)、アエラ(3.42)、綾波レイ(3.266)、シアン(2.642~3.027)、碇シンジ(2.906)
単体性能としては圧倒的になる。
ただし、この英雄はユズハやノルシュの燃焼を強化する分も入っているため、若干過大評価になっている点は注意。
また、この英雄も例にもれず、追撃の強さで数値が高くなってるタイプであるため、組み合わせ時にはもう少しマイルドな強さになると予想される。
Lv7専用スキル持ち
追撃+燃焼付与+燃焼強化
【燃焼】をトリガとした追撃強化は、平均して9体中7体への追撃が強化されると仮定する。
(50+70)*7*0.35+50*2*0.35+30*9/9+128.33*1.0+50*3/9=503.99
強さ値5.04
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
(1+0.45+0.78*1.09)/(1+0.45) *(1+(0.5*1.09+0.7)*7*0.35*1.09+0.5*1.09*2*0.35+0.3*9/9+1.2833*1.0+0.5*3/9)=10.24
他のトップクラスのLv7専用持ち英雄と比較すると
ノルシュ:8.1~8.29
アリア&ティナ:7.92~8.71
ストームシャドー:6.98~7.12
デューク:6.75~6.91
アスカ・ラングレー:6.24
ストライカー・エウレカ:5.513
ビスコット:5.4
ジプシーデンジャー:5.18
ミスティ:5.034~6.587
碇シンジ:4.998
メイメイ:4.555
アエラ:4.528
綾波レイ:4.32
シアン:3.489~4.422
【燃焼】がついている場合の追撃ダメージがエグすぎるため、とんでもない単体強さ値となった。
ただし、【燃焼】強化の強さにユズハやノルシュの分が乗っていることによりそこそこ過大評価になっている点、強さ値の大半が追撃によるもののため、組み合わせ時にはそこまで高くはならないことが想定される点には要注意。
組み合わせ時強さ値
ミスティおよびルチルは追撃が常時9体に当たることを想定する。
Lv5専用スキル前提
これまでに有用だった組み合わせは、以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ミスティ | 47.77 |
ノルシュ | メイメイ | ビスコット | 39.47 |
ノルシュ | メイメイ | アエラ | 35.85 |
ストームシャドー | ユズハ | ミスティ | 47.70 |
ストームシャドー | メイメイ | ビスコット | 39.14 |
ストームシャドー | メイメイ | アエラ | 35.58 |
ルチルが入ることで、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ルチル | 54.96 |
ストームシャドー | ユズハ | ルチル | 54.89 |
ミスティ→ルチルの入れ替えで、数値上は結構強くなる。
ただ、ミスティ編成は燃焼を即時発動させることにより、他英雄やタイタン装備の燃焼を再付与可能になる点の数値が入っておらず、実際には数値以上の強さがあるため、実用上はそこまで差がないかもしれない。
少なくとも、【燃焼】の回転率に依存しない形でこの数値が出せているため、安定した強さがある英雄といえるだろう。
Lv7専用スキル前提
これまでに有用だった組み合わせは、以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ミスティ | 152.98 |
ノルシュ | メイメイ | ビスコット | 141.94 |
ノルシュ | メイメイ | アエラ | 124.24 |
ストームシャドー | ユズハ | ミスティ | 144.16 |
ストームシャドー | メイメイ | ビスコット | 134.56 |
ストームシャドー | メイメイ | アエラ | 117.23 |
ルチルが入ることで、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ルチル | 186.63 |
ストームシャドー | ユズハ | ルチル | 177.66 |
専用5と同様に、数値上はとんでもないことになっている。
非常に強いことは間違いないのだが、ルチルを使用するうえでは燃焼が1つついていれば十分であるため、タイタン装備などの伸びしろはミスティのほうが上に感じる。
実用上の強さに関しては、後述する実践編を参照されたい。
実践編
英雄トライアルで、実際に使った際の強さを確認する。
比較対象として、以下の編成を試す。
- ノルシュ+ユズハ+ミスティ
- ノルシュ+メイメイ+ビスコット
- ノルシュ+ユズハ+ルチル
対戦相手としては、各兵種の代表的な編成である以下を試す。
- ミーチェ+カトレア+シャーリー
- ミーチェ+アカネ+クラリス
- ミーク(武装)+マリナ+ルーシィ
- ミーク(武装)+ノーラ+ソフィ
バフは以下の通り。兵種相性を0にしている点は要注意。

簡単のため、タイタンや重装騎兵、陣形の設定は変えないものとする。
トライアル結果
以下の表は、英雄トライアルで戦わせた時の残存HPを記載した表である。

ノルシュ・ユズハ・ミスティが残存HP割合が1.755なのに対し、ノルシュ・ユズハ・ルチルは残存HP割合が3.174と、1.8倍もの戦果を挙げた。
燃焼の回転率が悪くなる弱点はあるものの、やはり追撃火力は素晴らしく、その強みを十分に生かした結果となった。
タイタン装備等を考えない場合であればミスティからルチルの入れ替えで、かなりの強化が期待できる。
タイタン装備を考慮
タイタン装備の影響度を図るため、それぞれ最適と思われるタイタン装備を装備させたうえでノルシュ・ユズハ・ミスティ編成とノルシュ・ユズハ・ルチル編成を直接対決させてみる。
それぞれの編成で用いるタイタン装備は以下のようなかたち。


基本は戦場洞察+補足不能の組み合わせで、ミスティとルチルのみ燃焼特化の編成とする。
直接対決の結果は以下。

ルチル編成が7勝3敗と勝ち越したものの、ミスティ編成が手も足も出ないというわけではなく、スキルの発動次第ではミスティ側が勝利することもあった。
タイタン装備で燃焼をガンガン付けられる場合はミスティの燃焼即時発動の強みが出てきて、差は若干縮まっていると考えられる。
とはいえ、ルチル編成がミスティ編成を上回っていることは間違いなく、ルチルの起用で強さを上げられると考えられる。
まとめ
ルチルは燃焼型の生命増加枠の最強英雄であり、ミスティやアスカを上回る性能を持った英雄である。
基本的にはミスティやアスカの入れ替えで強化が期待できるが、燃焼型のタイタン装備が揃っている場合にはミスティとの差は若干縮まる。
アスカを現行で使っている方は積極的に入れ替えを考えてよいが、燃焼型タイタン装備がそろっている状態でミスティを使っている方であれば、無理に入れ替える必要は薄いかもしれない。
アスカもミスティも現行の環境でも活躍できる英雄ではあるため、それらを2軍で起用できるという点が、一番の利点になるかもしれない。