CTWがNASDAQ上場を果たし、投資家向けの情報としてIR資料が公開されている。IR資料には売り上げ等の数字の話が結構盛り込まれていたため、気になるものをピックアップしてみてみる。
IR資料
IR資料はいかに公開されており、だれでも閲覧できる。
ビビアミのお金の話
ビビアミが占める収益割合
CTWの収益は少数の主力ゲームに依存している旨が書かれており、VividArmyが占める収益割合も公開されている。
これによると、総収益に対するビビアミが占める収益の割合は、
年度 | 収益割合 |
2023年 | 58.2% |
2024年 | 40.3% |
2025年 | 28.6% |
2023年では過半数をビビアミの売り上げに依存していたが、その依存体質は年々改善され、2025年現在では約3割となっている。
仮にビビアミの売り上げが悪化したとしても、71.4%の収益は別のタイトルで補えるため、会社として傾くことはないという安心があるともいえるし、逆にビビアミが赤字を垂れ流し始めたら遠慮なく切れるということでもある。
ビビアミに対する課金額
主要な運用指標の情報として、ゲーム内総購入金額が公開されている。それによると、総購入金額は以下。
総購入金額 | 1か月あたり | |
2023年度 | $81,388,946 | $6,782,412 |
2024年度 | $84,461,982 | $6,782,412 |
2025年度(6か月) | $49,125,267 | $8,187,544 |
1ドル147.17円のレートとすると、年間120億円ほどが課金されている形になる。すごいな。。。
全ゲームを合計すると、2023→2025にかけて売り上げが伸びており、成長傾向にあるといえる。
この金額に前述したビビアミが占める収益割合を掛けると、大体のビビアミの総課金額が推測できる(実際には、ビビアミにおける収益分配の割合によって前後するため、誤差を含む点は注意)。
ビビアミ推定課金額 | 1か月あたり | |
2023年度 | ¥6,971,202,508 | ¥580,933,542 |
2024年度 | ¥5,009,398,766 | ¥417,449,897 |
2025年度(6か月) | ¥2,067,712,945 | ¥344,618,824 |
2023年度には年間で70億円ほどの売り上げがあったと推測されるが、ビビアミ自体はピークを過ぎ、課金額は右肩下がりになっていると推測される。
ゲーム内における廃課金プレイヤー達の引退などを考えると、大体イメージに合致する感覚だ。
印象としてはTopWar側はえげつない廃課金たちが定期的に現れるのに対し、ビビアミでは大型廃課金者が新しく出てくるケースをあまり聞かないため、ビビアミとしては売り上げが減少傾向いなっている可能性は高いといえるかもしれない。
それでもなお年間30~40億円程度は売り上げる巨大タイトルであると思われるため、近々でサービス終了するなどのリスクは非常に低いと考えられるだろう。
想定される今後の流れ
ビビアミ側とTopWar側を分けて考える必要がある。
まずビビアミ側の話をすると、
- 運営のCTWとしては、強みとして日本のアニメIPとの特権的なパートナーシップを挙げており、アニメIPの高い認知度を生かしたコンテンツ提供を方針としている
- ビビアミの売り上げが右肩下がりになっている可能性が高いことから、ビビアミの売り上げを上げるための施策よりも、自社の強みを生かした新規タイトルの立ち上げによる新たな柱の創出を優先する可能性も高い
- 収益自体は出ていることから、できるだけコストを掛けずに稼げるだけ稼ぐ方針が最も合理的
- これまで何度か存在した、ビビアミが主体となって実施されるコラボイベント等は今後実施される可能性は低い
TopWar側を考えてみると、
- ゲームシステムの開発や課金アイテムの設計などはTopWar側が主導権を握っていると思われる
- TopWar側には依然としてエグいレベルの廃課金者がプレイしており、彼らが買い支える間は安泰
- TopWar側がビビアミプレイヤーを忖度する可能性は非常に低い。G123プラットフォームを介すと収益の8~9割をCTWに持っていかれることや、ビビアミ側の売り上げも減少傾向のため。
- 今後は、TopWar側の超廃課金者がメインのお客様になり、彼らを優遇する方針の流れになる可能性が高い(160万重装機兵などが好例)
サ終の可能性はあるか?
残念ながら、おそらくサ終はほぼ無く、継続してサービスが提供される可能性が高いといえるのではないかと思う。根拠は以下
- TopWar側は依然としてかなりの収益が出ていると思われ、TopWar側がサービス終了を選択する可能性は非常に低いと思われる
- ビビアミ側が(収益 < 運営費)になってしまった場合に日本向けへのサービス提供が停止されるリスクはあるが、依然として年間30億程度の売り上げは出ていると思われ、コラボ等の実施取りやめや広告の配信停止などでコストを削減していけば、赤字まで転落する可能性は低いと考えられる
万が一、ビビアミのみ日本向けのサービス停止という形になったとしても、TopWar側へのアカウント移動などの救済処置が検討される可能性もあるだろう。
大枚はたいて育てたアカウントが、一瞬のうちに価値0になってしまうみたいなことは基本的には考えづらいだろう。