新海軍英雄として、相手のスキルを止める効果を持つリンリンが追加された。かなり評価の難しい英雄だが、可能な範囲で定量的な強さ値を出してみたので、解説する。
リンリンのスキル
戦闘開始時、味方海軍の攻撃力+80.0%。2列目の海軍ユニットは通常攻撃後に必ずスキルを発動し、ランダムな味方ユニット2体に敵英雄のスキルによる被ダメージ現状+20.0%の【重甲】効果を付与する。(効果:自兵種の通常攻撃が1回行われるまで、もしくはスキルダメージを受けるまで有効)さらに一定確率で、敵英雄2体に沈黙効果(相手兵士の通常攻撃が1回行われるまで有効)を付与する。
VividArmyゲーム内テキストより引用
新効果である【重甲】と、ナルミが持っていたのに似た沈黙効果を持つ。
いかにもエクレア対策英雄といったスキルで、エクレア相手に先行を取ると、沈黙でエクレアのスキルを不発にできるの可能性がある+重甲でダメージを軽減できる、といった点から有利に立ち回れる。
ただ、海軍英雄であるがゆえにエクレア対策としては中途半端で、エクレア空軍見たら基本的には陸軍で攻めたほうがいい。
陸軍や海軍でエクレアを使っている相手には強烈に刺さる可能性はある。
攻撃力増加系の英雄であるため、ライバルはトービィ、ナルミあたり。特にナルミとは沈黙効果で被っており、比較対象になるだろう。
違いとしては、ナルミは1体しか沈黙できないが、3ターン継続する。リンリンは1ターンしか沈黙できないが、複数英雄を同時に沈黙させられる。
運が良ければ特定英雄をずっと封殺できるナルミは爆発力に優れるが、安定性はリンリンのほうが上だろう。
ちなみに、沈黙効果の発動確率は検証班によると約70%とのこと。本記事では、発動確率を70%と仮定して計算を行う。
【重甲】効果の計算式に関して
【重甲】効果がスキルダメージ減少とあるが、最終ダメージから減算する形なのか、ダメージ減少バフに足す形なのかわからなかったため、検証してみた。
以下は、1マス目の空軍に14.4%の重甲効果が入った状態でクィントスキルを受けた時のスクリーンショットである。
重甲効果ありで103Bのダメージ、なしで117Bのダメージを受けている。
103/117=0.88倍になっている。
このことから、おそらく重甲効果は、
最終スキルダメージ×1/(1+重甲バフ)という計算式になっていると思われる。兵種相性とかと同じ計算式だ。
14.4%の重甲効果の場合、1/(1+0.144)=0.8741 となり、ほぼ一致する。
そのため注意が必要なのが、重甲効果50%の場合、最終ダメージは50%軽減ではなく、1-1/(1+0.5)=33.33%の軽減となる点である。
単体性能
仮想敵
リンリンは相手のスキルダメージを減らしたり、相手のスキルを止めたりする効果を持つため、相手がどんな編成をしているかに強く依存する。
今回は、仮想敵として以下の2つの編成に対する強さを計算する。
①エクレア+ソナリィ+碇シンジ(全員専用スキル7)
②アンジェラ+マミエル+碇シンジ(全員専用スキル7)
①に関しては、リンリンが最も得意とするであろうエクレア入り編成で、現在最も強いと言われている編成。リンリンの最大強さとして、この編成と対峙した時の強さ値を求める。
②は、あまり見ない編成だと思うが、要するにエクレアやソナリィのような、特定の列だけスキルが発動したりするケースの無い場合の編成だ。こちらが、エクレアを除く、大体の英雄に対する強さに近い数値を出すことが出来ると思われる。
エクレア+ソナリィ+シンジの火力
エクレアの追撃:専用スキル7補正込み、燃焼の価値を半分と捉えると、1発動当たり
(200.2+104.9/2)×3=757.9%の追撃
シンジの追撃:専用スキル7補正込み、1ターン目の場合、期待値は
196×1.34=262.64%の追撃
合計ダメージは、ソナリィの中高列攻撃力+100.6×1.34=134.8込みで、
((100+262.64)+(100+757.95+262.64)×2.248+(100+262.64)×2.248)/3=1232%
ここからどれだけ減らせたかが、リンリンの強さになる。
アンジェラ+マミエル+碇シンジの火力
アンジェラ:追撃強化の効果はいったん無視して期待値
200.9×0.4×1.34=107.68%
シンジは先ほど求めた通り、
262.64%
合計ダメージは、(100+107.68+262.64)×2.234=1050.69%
専用スキルなし
攻撃力増加効果
海軍攻撃力+80%。
単純に、強さ値1.8
【重甲】効果
重ね掛けできなかったり、スキル受ける前に通常攻撃時に剥がれたりするので、意外と無意味になることが多い。
しかも、後述する沈黙効果で相手スキルを止められると、より一層重甲が効果を発揮しづらくなる。
もろもろ含めて、今回は50%程度しか効果を発揮できないと仮定する
エクレア追撃に対して効果を発揮したと仮定すると、追撃で受けるダメージが
200.2%→166.83%に減らせる
合計6ユニットが対象となるが、もろもろ含めて3体しか恩恵を受けられないとすると、受ける合計ダメージは
(200.2×6+166.83×3)/(200.2×9)=0.944
エクレア追撃で受けるダメージが0.944倍になる
シンジ追撃に対して効果を発動したと仮定すると、追撃が受けるダメージが
140%→116.67%に減らせる
リンリンの重甲の効果で、3体がシンジの追撃のダメージを20%軽減できると仮定すると、
シンジの追撃の対象数期待値は4×9×0.35=12.6体
(140×9.6+116.67×3)/(140×12.6)=0.96
シンジ追撃で受けるダメージが0.96倍になる
強さ値は、沈黙効果と合わせて後述。
沈黙効果
70%の効果で相手の中列のスキル発動を止められる
⇒中列でのスキルダメージ70%減と同等
対象が2体のため、効果は2/3⇒46.67%のスキルダメージ軽減と同等
対エクレア・ソナリィ・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+262.64)+(100+757.95×0.944×0.5333+262.64×0.5333)×2.248+(100+262.64)×2.248)/3=858.43%
1232%から855.1%に軽減されたので、858.43/1232=0.697
受ける最終ダメージが0.697倍になる。
強さ値は、1/0.697=1.43
対アンジェラ・マミエル・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+107.68+262.64)×2+(100+107.68×0.5333+262.64×0.96×0.5333))/3×2.234=917.82%
1050.69%から917.82%に軽減されたので、917.82/1050.69=0.874
受ける最終ダメージが0.873倍になる
強さ値は、1/0.874=1.14
対エクレアではない場合は、大きく強さ値が落ちる。
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
対エクレア:(1+0.8×1.09)×(1+0.43×1.09)=2.75
対エクレア以外:(1+0.8×1.09)×(1+0.14×1.09)=2.16
対エクレアならかなりの強さ(クィント(2.72)やアンジェラ(2.898)に近いくらい)、対エクレア以外だとナルミ(2.025)に近いくらい。
攻撃力上昇系英雄としてはそこそこ優秀。
アンジェラ(2.898)、ミソラ(2.025)、トービィ(2.01)と比べると、アンジェラに次ぐスペックになる。
攻撃力増加枠としては採用の価値あり。
専用スキルLv5持ち
専用スキルLv5を装備すると、以下の効果を得る。
- 戦闘開始時に味方全ユニットに【重甲】を付与
- 沈黙が英雄3体対象に
沈黙効果で相手の全英雄を確実にスキル妨害できる点が非常に大きい。
開幕重甲効果
非常に強力だが、通常攻撃後に剥がれるのがネック。
強さ値計算が困難なため、仮に2/3のユニットにあたる6体がシンジの追撃を軽減できると仮定する。
シンジのスキルは、期待値として1ターンに4×9×0.35=12.6体に当たるが、そのうちの6体は重甲効果で軽減できる。
(6.6+6/1.2)/(12.6)=0.92
大体スキルダメージ8%減くらい、1ターン目の重みを0.6とすると、0.6を掛けて4.8%減くらいになる。
確定沈黙効果
3体を確定で沈黙させられるため、中列のスキルダメージを70%軽減する効果と同等になる。
対エクレア・ソナリィ・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+262.64×0.952)+(100+757.95×0.944×0.3+262.64×0.952×0.3)×2.248+(100+262.64×0.952)×2.248)/3=669.08
1234%から664.96%に軽減されたので、669.08/1234=0.54
受ける最終ダメージが0.54倍になる
強さ値は、1/0.54=1.85
対アンジェラ・マミエル・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+107.68+262.64×0.952)×2+(100+107.68×0.3+262.64×0.96×0.952×0.3))/3×2.234=833.83
1050.69%から828.02に軽減されたので、833.83/1050.69=0.794
受ける最終ダメージが0.794倍になる
強さ値は、1/0.794=1.26
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
対エクレア:(1+0.8×1.09)×(1+0.85×1.09)=3.6
対エクレア以外:(1+0.8×1.09)×(1+0.26×1.09)=2.40
対エクレアに関しては、確定で3体止められるようになったのが大きく、強さ値を大幅に伸ばしてエグい強さとなる。
一方、対エクレア以外だと、それなりの強さ。
専用スキルLv7持ち
Lv7専用スキルで開戦シールド+20%、【重甲】効果+30%される。
開戦シールド効果
開戦シールドで強さ値1.2。
ただし、橙シールド装備+英雄の絆のブリッツコマンドがある場合は、
(1+0.2+0.33)/(1+0.33)=1.15
Lv7専用スキルを作るような人は大体橙色シールド+絆あると思うので、強さ値1.15で計算する。
重甲強化効果
【重甲】効果が50%になる
対エクレア時
(200.2×6+200.2/1.5×3)/(200.2×9)=0.889
対シンジ時
(140×9.6+140/1.5×3)/(140×12.6)=0.92
開幕重甲
(6.6+6/1.5)/(12.6)=0.84
大体スキルダメージ16%減くらい、重み0.6を掛けると9.6%減くらい
対エクレア・ソナリィ・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+262.64×0.904)+(100+757.95×0.889×0.3+262.64×0.904×0.3)×2.248+(100+262.64×0.904)×2.248)/3=645.1
1234%から645.1%に軽減されたので、645.1/1234=0.523
受ける最終ダメージが0.523倍になる
強さ値は、1/0.523=1.91
対アンジェラ・マミエル・碇シンジ
【重甲】効果と沈黙効果を併せたときの合計ダメージは、
((100+107.68+262.64×0.904)×2+(100+107.68×0.3+262.64×0.92×0.904×0.3))/3×2.234=810.23
1050.69%から810.23%に軽減されたので、810.23/1050.69=0.77
受ける最終ダメージが0.77倍になる
強さ値は、1/0.77=1.30
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
対エクレア:(1+0.8×1.09)×(1+0.91×1.09)×1.15=4.29
対エクレア以外:(1+0.8×1.09)×(1+0.3×1.09)×1.15=2.86
重甲強化による増分はイマイチだが、開幕シールドが入ることにより、単体性能はそこそこ上がっている。
ただし、シールド効果は他英雄のスキルと被りやすい(ミソラとか、綾波レイとか)ため、同時編成時にはそこまで大きな影響にはならないかも。
Lv7専用スキルの作成で確かに強くはなるものの、シンジやレイといった英雄と比べると、劇的強化というわけではなさそうだ。
単体性能まとめ
対エクレア時にえげつない強さを誇るが、いろいろ使いづらいところがある点は注意。
- こちらが先行時は相手のエクレアを全て止められる可能性があるが、後攻時は1度は発動を許してしまう
- 相手が攻速つき重装機兵を使ってきた場合、こちらも重装機兵を使い、かつ攻速勝ちしていないと開幕エクレアは止められない
- リンリンがエクレアに強くても、海軍は空軍に弱い。一方的にボコられることは少なくなるが、エクレア見て後出しでリンリン海軍出すほどの対策にはならない
エクレア対策というよりは、複数人が遺跡に入ってて、誰と対戦になるかわかりませんよ、というシーンでエクレアと対戦になっても一定の被害は与えることができる、という安定感を増す立ち位置。
今までの攻撃力増加系の海軍英雄の中では一番強いので、ナルミやトービィをリンリンに置き換えると、ほぼ間違いなく強化にはなる。
ただし、綾波レイを入れた時のような劇的強化にはならないため、既にナルミ等を育て切っている人は無理をする必要はないかと思われる。
Lv7専用持ちのエクレアやシンジと対面した時に最も強みを発揮するので、そういった編成とマッチしない無課金・微課金の人は無理する必要はない。
編成時強さ値
リンリンは海軍限定であるため、今回はライバルとなるトービィを使用時と比べた強さ値を記載する。
なお、3人編成時計算ツールの仕様上、沈黙効果の発動確率に専用スキルの倍率を掛けることが困難であったため、専用スキルのレベルに関わらず発動確率は70%で固定とした。
実際には専用スキルによって発動確率が向上した場合は、記載の数値よりさらに強くなることになる。
専用スキルLv5想定
綾波レイ・カオル・トービィ:20.81
綾波レイ・カオル・リンリン:26.34 (対エクレア)38.67
そこそこ強くなる。対エクレアに限れば劇的強化。
海軍の攻撃力増加英雄は、セレスト⇒トービィ⇒ナルミ⇒リンリン と、かなり入れ替えのペースが早いため、すでにトービィやナルミを育て切っている人は、次の攻撃力増加系英雄まで待つというのは1つの手かもしれない。
どうしても海軍でエクレアに抗いたい人は育成推奨。
専用スキルLv7想定
綾波レイ・カオル・トービィ:38.44
綾波レイ・カオル・リンリン:54.5 (対エクレア):80.08
全員専用7の場合は、トービィ⇒リンリンの入れ替えでかなりの強化となる。
Lv7専用スキル持ち綾波レイ×カオルで、えげつないほどの火力を出せることに加え、生命増加・鉄壁効果が入るので、それらと被らない英雄スキル妨害という手段で被ダメを減らせるのはデカい。
54.5というえげつなすぎる数値になっているが、相手がゲージ系英雄とかでうまく発動タイミングがかみ合わない場合はそれほどの強さを発揮できないかもしれないので注意。
対エクレア性能は抜群で、80.08とかいう信じられないほどの数値になっている。
シンジなしの、エクレア×ソナリィ×ジョシュアくらいなら、兵種相性ひっくり返して勝てるくらいのスペックはあるかもしれない。
Lv7専用スキル想定時は、リンリンのLv7専用スキルが強いというより、Lv7専用スキル持ちの綾波レイ×カオルとの組み合わせ相性が非常に良いという点が大きい。
とくにナルミと違ってカオルの効果対象にならず、綾波レイのスキル回転率上昇の阻害にならない点なども評価できる。
まとめ
リンリンは、単体性能としてはそこそこの性能で、海軍の攻撃力上昇系英雄としては、アンジェラに次ぎ2番手であるため、攻撃力上昇スキル枠として採用が検討できる。
ただし、対エクレアを除けば、トービィやナルミといった英雄と比べて劇的変化というわけではないので、無課金・微課金の方は無理はしなくて良いと思われる。
専用スキルに関しては、Lv5専用スキルの沈黙効果対象が3体になる効果が非常に大きいため、可能な限り専用スキルLv5以上で使用したい。
一方で、Lv7専用スキルを作っても、シンジやレイといったえげつない英雄たちと比べると劇的な強化とはならないため、Lv7専用スキルの作成は無理をする必要はなさそうだ。
編成時強さとしては、Lv7専用スキルを持った綾波レイ×カオルとの同時編成が非常に強い。
単体性能としてはそこそこだったが、それらを持っている場合は育成を優先しても良い。
今後、エクレアが海軍に泣かれるという、面白い光景が見れるようになるかもしれない。
コメント
エクレアソナリィの上位互換出す布石ですね
スキルレベル5で十分エクレア封殺出来ますね
空軍はシンジレイアンジェラで戦った方が良さそう
船で飛行攻撃した状況でしかも相手が重装エクレアなら相手よりさらに速度を上回っていないとほぼ機能しそうにないという…弱化効果内だと意味もなさなくなる所踏まえると仕事的にはかなり限定されそうな?格下の空基地凸は楽になってそうですね…