新海軍英雄としてミカ(シュトラウス / Stromoy)が追加された。強力な攻撃力増加効果を持つ英雄であり、ナルミやリンリンを置き換える英雄として期待できる。実際どの程度の強さなのかを評価する。
ミカのスキル
味方全海軍ユニット攻撃+70.0%、後2列の海軍ユニット攻撃は追加で+30%。各ラウンド開始後、敵前2列のランダムなユニット2体を沈黙させる。更に味方海軍ユニットに被ダメ減少効果を持つシールドが存在する場合、その種類数に応じてダメージが増加する【強化追跡】効果+10.0%を付与する。(シールド1種類につきダメージ像が+10%、上限200%)
VividArmyゲーム内テキストより引用
能力ボーナス
Lv3 英雄編成時、全ユニット攻撃+30%
Lv5 【強化追跡】効果を25%に増加、各ターン開始後、味方全海軍ユニットに40%の【重甲】を一つ獲得。
Lv7 【強化追跡】効果を50%に増加、沈黙できるユニット数+1
VividArmyゲーム内テキストより引用
最前列に攻撃+70%、中後列に攻撃+100%の効果が入る。ジプシーデンジャーとは真逆で最前列の強化が弱い形。とはいえ、70%は入るため、1列目もリンリン等と比べて大幅に弱くなるわけではい。
沈黙効果は非常に強力。これまでのナルミやリンリンが持っていた沈黙効果は英雄に対して入る形だったが、ミカの沈黙はユニットを対象としており、そのユニットにおいて英雄の追撃系のスキルが一切発動しなくなる。
ナルミはどの英雄に沈黙が付くのか、リンリンはどのタイミングで沈黙が発動するか(重装機兵の高速砲火や弱体化施設の効果でずれることがある)、が非常に重要であったが、ミカはそういったブレが少なく確実に相手スキルを妨害できるのが強いところだ。
沈黙対象は相手の前2列となっているため、前2列への依存度が高いジプシーデンジャーやストライカーエウレカ、エクレア等に強烈に刺さる。
ただし、アメリーなどの追加通常攻撃を行う効果や、アズイールのカウンター効果、リンリンの沈黙効果などは妨害できないので注意。
【強化追跡】はかなりユニークな効果。味方に【鉄壁】【耐性】【重甲】が付いている場合、その種類数に応じてダメージ増加バフが加算される。
【鉄壁】はデスコやカオルが、【重甲】はクリムゾンタイフーンやミカ自身の専用スキルレベル5などで付与することが出来る。
【耐性】は、クリエッタのスキルやアズイールの専用7の追加効果、重装機兵のアースクロウラーの効果などで付く、一定回数攻撃を無効化する効果を指すようだ。現状だとミカと併用してこの効果を付与することは難しいだろう。
上限は200%とあるものの、同種の効果が複数付いていても効果が重複しないため、現状だと専用スキル7を持っても50%×3で150%が上限。
運営の説明によると、今後効果対象となるスキルが増える可能性があり、その時に上限の200%に達することが出来るとのこと。
専用スキルは、相変わらず専用5および7でかなり強化される。Lv5を持つことで自発的に【強化追跡】を発動することが可能。
Lv7では【強化追跡】による火力強化が大幅に増加するのと、沈黙対象が1体増えるのは大きい。
それぞれ強さ値を計算してみよう。
単体性能
仮想敵
ミカは相手のスキルダメージを減らしたり、相手のスキルを止めたりする効果を持つため、相手がどんな編成をしているかに強く依存する。
今回は、比較的追撃の強い組み合わせとして、以下の組を想定する。
①ジプシーデンジャー+ストライカーエウレカ+綾波レイ
上記編成は全兵種において利用でき、かつ一線で戦える強さを持つ組となるため、仮想敵の強さとしては妥当だろう(実際にはこの通りの編成になることは少ないが、追撃の強さとしては大きく乖離はないはず)。
綾波レイは沈黙で止まらない(発動が妨害された場合ゲージを消費せず、次の攻撃で確定発動するため)が、陸軍におけるアズイールや空軍のアメリーも同様の扱いになるため、それらの英雄が組み込まれた場合と似た値が出ることが期待できる。
ジプシー+エウレカ+レイの火力
ジプシーの追撃:専用スキル7補正込みで、(1.8*3*1.34)*0.3=2.17
エウレカの追撃:専用スキル7補正込み1・2列限定で、(1.5*3*1.34)*0.35=2.11
綾波レイの追撃:専用スキル7補正込みで、(2.05*2*1.1333*1.34+0.15)*0.375=2.39
合計火力としては、1+2.17+2.11*2/3+2.39=6.97 となる。
沈黙効果の強さ値
前2列のうち2体を沈黙させた場合、
ジプシーの発動対象9体のうち2体が止まる→追撃ダメージが7/9になる
エウレカの発動対象6体のうち2体が止まる→追撃ダメージが4/6になる
綾波レイの追撃は止まらない(正確には発動が遅くなるが、その分ゲージが貯まるため、影響は軽微)
そのため、ダメージ軽減率は、(1+2.17*7/9+2.11*2/3*4/6+2.39)/6.97=0.863
強さ値換算で、1/0.863=1.159
専用スキル7を作成して、前2列のうち3体を沈黙させた場合、
ジプシーの発動対象9体のうち3体が止まる→追撃ダメージが6/9になる
エウレカの発動対象6体のうち3体が止まる→追撃ダメージが3/6になる
綾波レイの追撃は止まらない(正確には発動が遅くなるが、その分ゲージが貯まるため、影響は軽微)
そのため、ダメージ軽減率は、(1+2.17*6/9+2.11*2/3*3/6+2.39)/6.97=0.795
強さ値換算で、1/0.795=1.258
専用なし
攻撃力増加効果
最前列に攻撃+70%、中後列に攻撃+100%の効果が入るため、平均すると(70+100+100)/3=90
そのため、強さ値1.9
沈黙効果
別節で求めた通り、強さ値1.159
【強化追跡】効果
この効果がどの程度影響があるか正確に計算するのは難しい。特に、【重甲】効果は攻撃を受けるとはがれてしまうためだ。
クリムゾンタイフーンと組み合わせることで開戦時に【重甲】を2枚ずつ付与でき、さらにミカの専用5を作ると毎ターン【重甲】を1枚つけることが出来る。
仮に、【鉄壁】と【重甲】を併せて、平均1.5個のダメージ軽減スキルが付いているものとして計算を行う。
元々のダメージ増加バフが350%と仮定すると、
(1+3.5+0.1*1.5)/(1+3.5)=1.033
強さ値1.033
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
(1+0.9*1.09)*1.159*1.033=2.37
ぶっ壊れというわけではないが、かなり優秀な数値。
既存の攻撃力増加系英雄と比べると、
ジプシー(3.34)、アンジェラ(2.898)、リンリン(2.16)、トービィ(2.01)
単体性能としては、リンリン以上、アンジェラ以下な形。ただし、沈黙効果は他の鉄壁等の軽減系効果と一切被らずに被ダメージを減らせるため、組み合わせた時の強さはかなり大きくなる。
Lv5専用スキル持ち
Lv5専用スキルを装備することで、【強化追跡】効果が25%に増加し、毎ターン味方に40%の【重甲】をつけられる。
【強化追跡】効果
平均1.5個分の効果を得られると仮定すると、
(1+3.5+0.25*1.5)/(1+3.5)=1.083
強さ値1.083
【重甲】効果
仮想敵の追撃を考えると、単発火力の平均は(1.8*3*0.3+1.5*3*0.35+2.05*2*0.375)/(3*0.3+3*0.35+2*0.375)=1.753
175.3%程度になる。
敵の追撃発動数の期待値は、(3*0.3+3*0.35+2*0.375)*9=24.3発となり、最大そのうちの9発を軽減できる。
(175.3/1.4*9+175.3*15.3)/(175.3*24.3)=0.894
となり、スキルダメージを10.6%程度軽減する効果と等価となる。
通常攻撃分も考慮すると、(900+175.3/1.4*9+175.3*15.3)/(900+175.3*24.3)=0.9126
となり、最終ダメージを8.74%軽減する効果となり、強さ値は1/0.9126=1.096となる。
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
(1+0.9*1.09)*1.159*1.083*1.096=2.725
Lv5専用スキル持ちのリンリン(2.4)、碇シンジ(2.906)、ミソラ(3.288)、綾波レイ(3.266)、ジプシーデンジャー(4.07)、デスコ(4.26)と比べると、そこまで極端に強いわけではないが、リンリンより強い時点で海軍では採用の価値がある。
前述した通り、沈黙にしろ重甲にしろ組み合わせ時に評価が高くなるスキルが多いため、単体性能だけでは評価しきれないポイントがあるだろう。
Lv7専用スキル持ち
Lv7専用スキルによって、【強化追跡】効果が50%に増加し、沈黙できるユニット数が1体増える。
【強化追跡】効果
平均1.5個分の効果を得られると仮定すると、
(1+3.5+0.5*1.5)/(1+3.5)=1.167
強さ値1.167
沈黙効果
別節で求めた通り、3体止められる場合は強さ値1.258
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点考慮で、
(1+0.9*1.09)*1.258*1.167*1.096=3.18
他のLv7専用スキル持ちの強英雄と比べると、
リンリン:2.86
クィント:3.45
シャルロッテ:3.57
エクレア:3.9
アンジェラ:3.92
防衛時エルエル:4.13
カオル:4.236
綾波レイ:4.32(数値を装備改造Tier20を考慮して数値調整済)
碇シンジ:4.998
ジプシーデンジャー:5.18
ストライカーエウレカ:5.513
クリムゾン・タイフーン:5.64
デスコ:6.12
他の、Lv7専用スキルでいきなり火力が1.5~2倍程度になる英雄たちと比べると若干地味な強化になるものの、着実に強くなる。少なくとも、リンリンよりは高い評価になる。
他英雄との組み合わせ時に真価を発揮する英雄であるため、この英雄の評価としては、後述する組み合わせ時強さ値を参照されたい。
組み合わせ時強さ値
海軍での起用が基本となるため、海軍での組み合わせだけを考える。
Lv5専用スキル持ち
これまでに使われてきた編成としては以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 進攻時強さ値 |
デスコ | 綾波レイ | トービィ | 21.05 |
デスコ | 綾波レイ | リンリン | 26.45 |
デスコ | 綾波レイ | ジプシーデンジャー | 27.86 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | トービィ | 25.55 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | リンリン | 32.20 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | ジプシーデンジャー | 33.03 |
クリムゾンタイフーンを入れると、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 進攻時強さ値 |
デスコ | 綾波レイ | ミカ | 30.66 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | ミカ | 37.32 |
攻撃力増加系英雄をミカに置き換えるだけで、かなりの強化となる。
リンリンに関しては、対エクレア以外ではほぼ下位互換のような形になってしまうため、おとなしく2軍に回すのが賢明だろう。
Lv7専用スキル持ち
これまでに使われてきた編成としては以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 進攻時強さ値 |
デスコ | 綾波レイ | トービィ | 39.64 |
デスコ | 綾波レイ | リンリン | 58.28 |
デスコ | 綾波レイ | ジプシーデンジャー | 53.02 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | トービィ | 48.54 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | リンリン | 71.72 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | ジプシーデンジャー | 63.76 |
クリムゾンタイフーンを入れると、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 進攻時強さ値 |
デスコ | 綾波レイ | ミカ | 68.42 |
デスコ | クリムゾンタイフーン | ミカ | 83.90 |
デスコ+クリムゾン+ミカは非常に強く、全編成の中でも頭一つ飛びぬけた強さになる。
陸軍最強のエウレカ+ジプシー+アズイール編成で56.49、空軍最強のエウレカ+レイ+シャルロッテで67.83に対し、海軍のデスコ+クリムゾン+ミカ編成は83.90と20%~30%程度強くなる。
間違いなく現環境最強の編成となり、陸軍はもちろん、エクレアを使っている空軍なども苦戦を強いられること必至であろう。
まとめ
ミカは単体性能こそ目立たないものの、沈黙等が非常に強力であるため他英雄との組み合わせた時に真価を発揮し、最強編成の一角を担うことができる。
ナルミやリンリンといった英雄の、ほぼ上位互換にあたる性能であるため、それら英雄を置き換えることで確実に強化が狙えるだろう。
海軍を使って一線級で戦っていきたい方は育成推奨。可能なら専用7も作成しておきたい。
一方で、微課金ユーザーであれば無理して育てる必要はない。
ミカは他の「強力な追撃を持った英雄」との組み合わせ時に真価を発揮する英雄であり、専用7を持ったデスコや専用7を持ったクリムゾンタイフーンなどがいない場合は、リンリンなどと比べてほんのちょっと数値が高いだけの英雄に過ぎない。
また、海軍でしか使えない英雄となるため、ジプシーなどと比べると他兵種へのコンバートが効かず、上位互換となる英雄が出た時に存在価値を急速に失うリスクがある。
そのため、少しでも海軍を強化したいと考えているプレイヤーや、絶対に他兵種を使わない自信があるプレイヤー以外は、スルーしても良い英雄と言えるだろう。
上位陣同士の戦いではほんの少しの性能差がかなりの影響を与えたりするため、この英雄が今後海軍の環境を席巻することは間違いないだろう。
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