新空軍英雄としてノルシュ(TopWar:ヴィヴィアン)が追加された。ストームシャドーに続く空軍用鉄壁英雄だが、実際どの程度強いのか評価を行う。
ノルシュのスキル
スキル効果
空軍ユニットに対する【鉄壁】効果、空軍ユニットの追撃効果、【燃焼】付与効果の3つの効果を持つ。
【鉄壁】効果
ストームシャドーと同値の40%の鉄壁を持つ。専用スキルでの強化幅も全く同じため、鉄壁英雄としては同じように使用することが出来る。
ただし1点、戦争値による上がり幅が、ストームシャドーが100毎に0.04上がるのに対してノルシュは0.03しか上がらないため注意。
装飾品等で戦争値を大きく増加させられる環境の場合は、ストームシャドーより【鉄壁】の数値が劣る形になる。
追撃効果
【燃焼】状態ではない敵を優先的に狙い、3体に100%のダメージを与える。
ダメージ期待値としては、ストームシャドーの310%よりほんの少しだけ劣る。
相手が【燃焼】状態の時は追撃ダメージが+10%されるが、【燃焼】状態でない敵を優先的に狙う仕様上、相手ユニット7体以上に既に【燃焼】が付与されていないと恩恵を受けることが出来ない。
そのため、強化効果はほぼオマケ効果とみなしたほうが良いだろう。
【燃焼】付与効果
追撃がヒットした相手に15%の燃焼を付与する。
【燃焼】がついていない相手を優先的に狙う仕様上、効率的に【燃焼】を撒けるのはいい感じ。
ただし、燃焼のダメージが15%と低いため、それそのもののダメージに期待するというよりは、ミスティの燃焼再付与効果への貢献が主になるだろう。
能力ボーナス
Lv5専用スキル
【鉄壁】のターン数が1ターン延長されるいつもの効果と、35%の【鼓動】効果が入るようになる。
35%の鼓動効果は結構強く、デュークは20%、ストームシャドーが25%だったことを考えると、通常攻撃型の空軍で使う上では最優秀の鉄壁英雄となる。
スキル効果だけ見ると燃焼型での起用を考えたくなるが、通常攻撃編成で使うのも良いだろう。
Lv7専用スキル
【鉄壁】効果が+10%されるいつもの効果と、追撃の回数+1回、スキルダメージ+100%する効果が入る。
【鉄壁】強化効果が強いのはもちろんだが、追撃の強化幅がエグい。
100%×3=300%の追撃が、200%×4=800%と、驚異の2.67倍の強化となる。
発動確率も検証の結果、約34%程度と低くなく、専用7で780%の火力に達するアリア&ティナを上回り、歴代最高の追撃火力を誇る。
専用7での強化具合は過去最高クラスであるため、この英雄を使うならば専用7を作っておきたいところ。
単体強さ
仮想編成
通常攻撃限定のバフがあるため、通常攻撃とスキルダメージの割合を規定しておく必要がある。
スキルダメージ中心の編成と、通常攻撃中心の編成として、以下の2つの編成を仮定する。
スキルダメージ中心:ユズハ、ミスティ、ノルシュ
通常攻撃中心:メイメイ、アエラ、ノルシュ
ユズハ、ミスティ、ノルシュ編成
ミスティ:専用7補正込みで、((0.45*1.34+0.3+0.3*0.5*1.4)*9*0.35)+((0.5*1.4)*3/9)=3.74
ノルシュ:専用7補正込みで、(100*1.34+100)*4*0.34=3.18
通常攻撃ダメージ1に対し、スキルダメージは6.92
メイメイ、アエラ、ノルシュ編成
アエラ:専用スキル7補正込みで2.5*2/3=1.667
ストームシャドー:専用7補正込みで、(100*1.34+100)*4*0.34=3.18
通常攻撃ダメージ2.667に対し、スキルダメージは3.18
専用スキルなし
【鉄壁】効果
鉄壁は最終ダメージからの減衰となるので、
1/(1-0.4)=1.667
強さ値:1.667(ただし、1ターン目のみ)
これまでの鉄壁英雄と同じく、各ターンの重みを、1ターン目60%、2ターン目以降40%と仮定すると、
1+(0.667 * 0.6)=1.4
強さ値1.4
追撃効果+燃焼効果
以下の仮定を置いて計算する。
- 発動確率は34%とする
- 燃焼効果は既に燃焼の敵を避ける仕様上被りづらく、かつミスティ等での即発動も狙えるため、単純に追撃火力を15%強化する効果として扱う
- 追撃が燃焼状態の敵に当たった際の強化効果は、発動条件を満たしづらく、数値もそこまで高くないため、オマケ効果として無視する
すると、強さ値は以下のようになる。
1+((1+0.15)*3*0.34)=2.173
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
(1+0.4*1.09)*(1+(1*1.09+0.15)*3*0.34)=3.252
強さ値は、3.252となる。
これまでの強英雄と比べると、
アスカ(4.21)、アリア&ティナ(3.97~4.57)、デューク(3.686)、ミスティ(3.43~4.24)。ジプシー(3.34)、エウレカ(3.08)、 ストームシャドー(3.062)、アエラ(3.01)、メイメイ(2.6)、シンジ(2.549)、シアン(2.4~2.55)、レイ(2.366)
鉄壁英雄としてはかなり高い。とはいえ、追撃火力が若干異なる程度であるため、仕様感は既存の鉄壁英雄たちとそこまで大きくは変わらないだろう。
Lv5専用スキル持ち
【鉄壁】効果
鉄壁が2ターンに延長されるため、これまでの鉄壁英雄と同じく各ターンの重みを1ターン目60%、2ターン目30%、3ターン目以降が10%と仮定すると、
1+(0.667 * 0.9)=1.6
強さ値1.6
【鼓動】効果
毎ターン通常攻撃ダメ増バフが35%ずつ増加していく。
各ターンの重みを1ターン目60%、2ターン目30%、3ターン目以降10%、ダメージ増加バフを500%と仮定すると、
(1+5+0.35)/(1+5)*0.6+(1+5+0.7)/(1+5)*0.3+(1+5+1.05)/(1+5)*0.1=1.0875
アエラ+メイメイで別途【鼓動】効果が60%入っていると仮定すると、
(1+5.6+0.35)/(1+5.6)*0.6+(1+6.2+0.7)/(1+6.2)*0.3+(1+6.8+1.05)/(1+6.8)*0.1=1.0744
通常攻撃の最終ダメージを7.44%~8.75%アップさせる効果と等価になる。
最終ダメージ増加換算するために仮想編成で考えた編成ベースで計算すると、
追撃メインの場合は、(1.0*1.0875+6.92)/(1.0+6.92)=1.011
通常攻撃メインの場合は、(2.667*1.0744+3.18)/(2.667+3.18)=1.034
そのため、強さ値は大体1.011~1.034となる。
合計強さ値
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
追撃中心編成:(1+0.6*1.09)*(1+(1*1.09+0.15)*3*0.34)*1.011=3.787
通常攻撃編成:(1+0.6*1.09)*(1+(1*1.09+0.15)*3*0.34)*1.034=3.87
強さ値は、3.787~3.87となる。
これまでの強英雄と比べると、
アリア&ティナ(4.955~5.25)、アスカ・ラングレー(4.33)、デューク(4.243)、ジプシーデンジャー(4.07)、ミスティ(4.00~5.07)、ストームシャドー(3.8)、ストライカー・エウレカ(3.555)、アエラ(3.42)、綾波レイ(3.266)、シアン(2.642~3.027)、碇シンジ(2.906)
ストームシャドーとほぼ全く同じくらいの強さになる。専用5段階でも、既存の鉄壁英雄と比べて特に差はない印象。
既にストームシャドーやデューク、エウレカなどが育っているなら入れ替える必要はほぼ全く感じない。
Lv7専用スキル持ち
【鉄壁】効果
鉄壁効果が+10%されるので、
1/(1-0.5)=2
1+(1 * 0.9)=1.9
強さ値1.9
追撃+燃焼効果
追撃回数が+1回、追撃火力が+100%される。
1+((1+1+0.15)*4*0.34)=3.924
追撃+燃焼で強さ値3.924となる。
合計強さ値
専用スキルが旧英雄より強い点を考慮して、
追撃中心編成:(1+0.9*1.09)*(1+(1*1.09+1+0.15)*4*0.34)*1.011=8.10
通常攻撃編成:(1+0.9*1.09)*(1+(1*1.09+1+0.15)*4*0.34)*1.034=8.29
強さ値は、8.1~8.29となる。
他のトップクラスのLv7専用持ち英雄と比較すると
アリア&ティナ:7.92~8.71
ストームシャドー:6.98~7.12
デューク:6.75~6.91
アスカ・ラングレー:6.24
ストライカー・エウレカ:5.513
ジプシーデンジャー:5.18
ミスティ:5.034~6.587
碇シンジ:4.998
メイメイ:4.555
アエラ:4.528
綾波レイ:4.32
シアン:3.489~4.422
単体性能としては化け物クラス。同じくえげつないほどの追撃火力を誇るアリア&ティナと並んで最高クラスのスペックとなる。
ただし、アリア&ティナと同じく、追撃火力が高いことにより強さ値が高くなっているため、組み合わせた時にはそこまで大きな差とはならない可能性もある点は注意が必要。
しかし、アリア&ティナとは違い、空軍は追撃を持たない攻撃強化英雄を起用することが多いため、アリア&ティナより環境が良いともいえる。
組み合わせ時強さ値
ミスティは追撃が常時9体に当たることを想定する(少し過大評価気味)。
Lv5専用スキル前提
これまでに有用だった組み合わせは、以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ストームシャドー | ユズハ | ミスティ | 47.70 |
ストームシャドー | メイメイ | アエラ | 35.58 |
デューク | ユズハ | ミスティ | 51.13 |
デューク | メイメイ | アエラ | 38.25 |
ノルシュが入ることで、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ミスティ | 47.77 |
ノルシュ | メイメイ | アエラ | 35.85 |
単体性能計算時と同様、ストームシャドーとほぼ全く同じ強さになる。そのため、2体目以降のストームシャドーとして捉えるのが良いだろう。
Lv7専用スキル前提
これまでに有用だった組み合わせは、以下のような形。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ストームシャドー | ユズハ | ミスティ | 144.16 |
ストームシャドー | メイメイ | アエラ | 117.23 |
デューク | ユズハ | ミスティ | 141.85 |
デューク | メイメイ | アエラ | 115.67 |
ノルシュが入ることで、以下のような編成が考えられる。
英雄1 | 英雄2 | 英雄3 | 強さ値 |
ノルシュ | ユズハ | ミスティ | 152.98 |
ノルシュ | メイメイ | アエラ | 124.24 |
追撃火力が結構上がるため、シンプルに若干の強化となる。
ミスティを使った燃焼特化編成では、ストームシャドーと比べて開幕での燃焼付与効果が無いため、ノルシュの追撃の発動が遅い場合にミスティの燃焼再付与が発動しづらいデメリットがあるが、通常攻撃型の空軍ではデメリットなく単純強化となるだろう。
とはいえ、強化幅がそこまで劇的というわけでもないため、既にストームシャドー等が育成済みであれば無理をする必要はなく、空軍向けの鉄壁英雄が足りない場合や、どうしても最強編成にこだわりたい人向けの英雄と言えるだろう。
実践編
英雄トライアルで、実際に使った際の強さを確認する。
比較対象として、以下の編成を試す。
- ストームシャドー+ユズハ+ミスティ
- デューク+メイメイ+アエラ
- ノルシュ+ユズハ+ミスティ
- ノルシュ+メイメイ+アエラ
対戦相手としては、各兵種の代表的な編成である以下を試す。
- ミーチェ+アリア&ティナ+シャーリー
- ミーチェ+クラリス+フェルム
- ミーク(武装)+マリナ+ルーシィ
- ミーク(武装)+ツバキ+ヒヨリ
バフは以下の通り。兵種相性を0にしている点は要注意。
トライアル結果
以下の表は、英雄トライアルで戦わせた時の残存HPを記載した表である。
- それぞれの組み合わせで攻撃側3回、防衛側3回の合計6回戦わせ、それぞれの残存HPを記録
- 左編成と書かれた列が空軍側の残りHP、上編成と書かれた列が戦わせた編成側の残りHP
- 青く塗られた戦いが空軍側が負けた結果、赤く塗られた戦いが空軍側が勝った結果
残存HPを比較してみると、
- ストーム+ユズハ+ミスティ:2.365
- デューク+メイメイ+アエラ:1.294
- ノルシュ+ユズハ+ミスティ:2.561
- ノルシュ+メイメイ+アエラ:2.157
燃焼編成を見てみると、ストーム編成で2.365、ノルシュ編成で2.561と若干ノルシュ編成が上回る形。
ただ、勝てるときは大きく勝っているが、下振れ時には負けることもあり、特にツバキ海軍相手では勝敗数で言えばストーム編成を下回る結果だった。
やはり、燃焼付与のタイミングが遅いことにより、ノルシュのスキル発動が早くないとミスティが生きにくいことや、ツバキのスキル妨害がぶっ刺さるとノルシュの強みが生きにくい点などにより、若干安定性に欠ける印象がある。
上振れ時の爆発力には目を見張るものがあるため、格上に抗いたいようなケースでは活躍が期待できるかもしれないが、比較的安定しているストームシャドーとどちらが良いかはプレイヤー次第になるかもしれない。
一方で、通常攻撃編成ではデューク編成で1.294、ノルシュ編成で2.157と大幅な強化となった。
こちらでは、燃焼のようなデメリットは全くなく、【鼓動】の数値強化、追撃火力の増強と単純強化になるため、入れ替えによるメリットは結構大きいと思われる。
1軍で燃焼型のストーム+ユズハ+ミスティ、2軍で通常攻撃型のデューク+メイメイ+アエラのような編成をしている人が、2軍のデュークをノルシュに入れ替え、デュークを陸や海軍にコンバートするという形が、ノルシュが最も生かせる形になるだろう。
まとめ
ノルシュはストームシャドーを若干上回る性能を持つ空軍鉄壁英雄であり、現環境で最強の区軍鉄壁英雄と言える。
ただし、燃焼の付与タイミングがストームシャドーがラウンド開始時に付けられるのに対し、ノルシュはスキル発動後になるためタイミングが少し遅く、ミスティとの相性という点では若干劣る点がある。
追撃の火力自体は歴代最高のものとなるため、運次第では大きく勝つこともできるが、ミスティと組ませた燃焼編成においてはストームの完全上位互換とはならず、そこまで大幅な強化とはならないだろう。
一方で通常攻撃型の空軍においては、単純に【鼓動】の数値が高く追撃も強いため、ストームやデュークのほぼ完全上位互換になる。
そのため、ノルシュを採用するならば通常攻撃型の空軍がオススメになり、燃焼型はストームシャドーを継投させるのが最も効率的な編成になるだろう。
とはいえ、ノルシュが燃焼型の空軍と相性が悪いわけではなく、コストを払ってストームを置き換える価値があるかは微妙というだけなので、ストームやデュークが未育成のプレイヤーや、おっさんアーミー化が嫌なプレイヤーは燃焼向けに育成を考えても良いだろう。
ノルシュ+ユズハ+ミスティと組めば、綺麗におっさんを追い出すことが出来るため、ロボとおっさんばっかりという現状を打破する可能性を秘めた、素晴らしい英雄と捉えることもできるだろう。